バルセロナのリアル

親愛なる竜さん

「移動にまつわる体感」共感をもって読みました。僕は先月オランダに出張したときに、空港を降り立った時点で自分が財布を忘れてきたことに気がつきました。

その瞬間「しまったなー。」と思うと同時に「財布なしでも国境を越えてしまうのだな。」と思ったのですが、結局のところ二泊三日の旅の間、一度も困ることがありませんでした。

空港から目的地まではUberで移動し、Booking.comで予約したホテルには、スマホのウォレットに保存している予約表、そして全てのレストランやカフェでもスマホのウォレットにあるクレジットカード、もちろん帰りのフライトもスマホのウォレットにバーコードでe-チケットが保存されています。

そう、まさにウォレット。自分の財布はもうとっくにスマホに移動していたのだなと実感しました。もしスマホを自宅に忘れていたなら、空港に着くまでにそのことに気がついたでしょう。それが最近の「移動にまつわる体感」です。

そして旅の間の「食」に関する体感も大きく変化しました。先週はバルセロナに出張だったのですが、到着した夜は現地の教会リーダー達と夕食を共にしながらミーティングをするのですが、ここ数年はもっぱら会合場所は街のラーメン屋さんです。

今、バルセロナは空前のラーメンブームで、毎回訪れるたびに新店舗が出来ています。やがてブームではなく、文化として定着し、バルセロナの名物になっていく予感です。

単に「Ramen」ではなく「札幌ラーメン」「博多とんこつ」など各店で差別化が図られており、バルセロナにいるのか、阿佐ヶ谷の駅前にいるのか時々わからなくなります。

こういった日本食が欧州に定着するようになったのは、2000年以降の欧州統合後です。各国の厳しい食品輸入に関する法律が一元化されたことにより、ドイツやロンドンなどで日本食を出店してノウハウを積んだ企業家たちが、後進の若手の企業家たちに対して、欧州のどの国で事情を始めるとしても、助けることができるようになっています。

具体的には、例えば日本を飛び出して「欧州でうまいラーメン屋を出したい。」という夢を持った人々に、欧州で必要な麺やタレの確保の仕方、ラーメン専門店舗に必要な食材、什器の取り揃え方、物件取得から認可、施工業者の紹介、コンセプトとメニュー考案、厨房及び内装外装のデザイン、スタッフの求人等を日本語で助言をしてくれるというバックアップ体制が整いつつあるのです。開拓者の努力のおかげで、欧州ではますます日本人のビジネスチャンスは拡がっている。そのことを、バルセロナでうまい豚骨ラーメンに舌鼓をうちながら実感していました。

ミラノはここ数日、猛暑が続いています。世界的な気候変動も実感していますが、その話題はまたの機会に。今日はこの辺で!夏バテに気をつけてね。

Move on cafe | 移動すること。創造すること。交わること。

“Moveoncafe"とは「移動すること。創造すること。交わること。」をコンセプトに、「すでに起こっている未来」そして「創造的なライフスタイル」について考え、感じることができる空間の共有を目的としたリアルミーティングイベントです。 (新型コロナウイルス感染拡大の現状を踏まえリアルイベントの開催は自粛しております)