移動にまつわる体感

Dear Uttie,

先週、1週間の出張から戻り、ようやく日常生活が戻ってきました。

今回は東京での合宿(東京の会社の行事で、東京に合宿にするという少々違和感のある行為)でした。顔を合わせるのは毎日朝礼で(ディスプレイ越しですが)挨拶している面々。それぞれのメンバーが普段活動している拠点も何度となく訪れている場所でもあるため、それぞれのお土産も含めて何の目新しさもなく...。

いや、何だか、マンネリ化している移動についての不満を書いているみたいになってしまいましたが、今回「伝えたい」と感じたのはそこではないのです(苦笑

今年2月にサンノゼに出かけたお話をさせていただきました。

その旅程でバンコク、シンガポールと訪問したのですが、サンノゼの外れの観光地でもなんでもない場所にある小さなクレープ屋さんからUberでサンフランシスコまで。いつもお世話になっているワンワールドのエアラインサービスでトランスファーの時間を使って東京での予定を済ませ、Grabを使って会員になっているホテルチェーンに滞在。GOJEKでチャンギ空港まで行こうとしていたところ、調べてみると渋滞のリスクがありそうなのでMRTを利用して移動。その間、インターネットへの接続はdocomoのパケットパック海外オプションで空港にランディングすると同時に利用でき、いつものスマホからなので何の違和感もなくコミュニケーション可能でした。

冒頭の東京合宿の件もそうなのですが、どうも移動についての体感が変わってきている気がするのです。

それは私が旅慣れしているとかそういった個人依存によるものもあるかもしれませんが、それだけではなく、社会全体として、空間的・地理的な移動が特別なことではなくなってきているのではないかと感じます。

世界を半周するような移動を快適にしてくれたのは、飲食店・ホテル・自動車・飛行機という物理的なリソースですが、これらは50年前にも同じように存在していました。が、しかし、僕らが生まれた頃は先ほどお話ししたような「快適な移動」体験を得ることは簡単ではなかったはずです。

では、何が変わったのでしょうか。

現在、私たちが享受できているUX(ユーザ体験)は、バーチャルではなく手触りをともなうリアルな体験そのものですが、それを実現してくれているのは、スマートフォンという小さなデバイスを介した無数のネットワークとソフトウェアサービス、そして私たち自身が、デジタル化されたIDとして管理されていることによってもたらされる恩恵だと捉えています。

社会学者のジョン・アーリは「グローバル化が深まればローカル化が深まり、そしてそのことがグローバル化を深める」と言ったそうです。

uttieさんからもらったメッセージの「グローカル=国境を越えた地球規模の視野と、草の根の地域の視点」は、このような「移動の大衆化」によって、新たなクリエイティブの段階へと移行していくのかもしませんね。

反面、デジタルデバイドによる弊害も論じなければならないのでしょうが、収拾がつかなくなりそう&個人的には技術革新を楽観的に捉えていきたいので、今日はこのくらいで筆を置きたいと思います^^;

少々、頭でっかちな文章になってしまいました...。

この先はしばらく島に滞在する予定ですが、この夏、多くの友人たちが訪ねてきてくれることになっているので、移動する人々を受け入れる側に立って、move on することの意味を見つめてみたいと思います。

こちらはセミが鳴き、暑さがいよいよ夏のものとなってきました。
気候はだいぶ違うかと思いますが、くれぐれもお身体にはご自愛ください。

また会う日まで。

追伸>実は今年から、ひっそりとAirbnbに出しています^^

Your friend,

Tatsu

Move on cafe | 移動すること。創造すること。交わること。

“Moveoncafe"とは「移動すること。創造すること。交わること。」をコンセプトに、「すでに起こっている未来」そして「創造的なライフスタイル」について考え、感じることができる空間の共有を目的としたリアルミーティングイベントです。 (新型コロナウイルス感染拡大の現状を踏まえリアルイベントの開催は自粛しております)