2019年2月、スタンフォード
Dear Uttie,
もう「古くからの」と言ってもいいくらい、
旧来からの大切な友人であり、
リスペクトするパートナーでもあるUttieさんへ。
最初の書簡は、この企画を始めるきっかけとなった、サンノゼへの旅から始めようと思います。バズワードとなりつつある「デザイン思考」の発信地、CA、スタンフォード大学のdスクールのツアーでのこと。その日はなぜか日本からの参加者が多かったようで、私たち以外にも複数組の日本人が一緒でした。
その場所は、雑然として、それほどオシャレでもなく、東京のコワーキングスペースの方がずっと見栄えがするくらいです。注意事項の貼紙がそこかしこにあり、生の仕事部屋という感じ。クラスルームとをつなぐ渡り廊下には、飾り気のないショーケース(本当に質素で、古い書店の端にあるガラスケースのようなものだったのです^^;)がありました。その中にひっそりと、スタンフォードの学生チームが開発して多くの命を救った未熟児用の保育器「Embrace」のおそらくモックが展示されていました。
そこで聞こえた日本からの参加者の声、
「思ったよりチープだね。」
確かそんなセリフだったと思います。
出来るだけ早く失敗し、そして多くのことを学ぶというデザイン思考の本質が、日本でなかなか馴染まない理由の一端を垣間見た気がしました。
そもそも完璧ではないことを前提とするインターネット。デザイン思考と通底する何かが、この国でGAFAやFANGといったネットベンチャーの雄が花開く土壌となったのだと感じさせられます。
トップダウンの「やってみなはれ」ではなく、時間をかけて一歩ずつ、文化や社会のシステムとして醸成していけるといいですね。
そういえば以前、オランダの社会システムや政策について、試しては改善していくスタイルだとお話ししてくださいましたね。
私たちの世界は永久に未完成。
この往復書簡もいわばβ版。
伝道を本業とする方と文章でコラボするのは、正直不安もあり、畏れ多い気もしますが、「竜の文章を読みたいし、もっと書いた方がいい。」という愛ある言葉に後押しされてました。
先ずは半年間、よろしくお願いします。
Sincerity,
TATSU
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